現在の原油を取り巻くファンダメンタルズについてまとめておこう。
ファンダメンタルズを考える時、短期と長期の二つの目線で見なければならない。
これはテクニカルでも同様だな。
既述だが、原油は長期的には上昇だ。
長期的というのは、どの程度のスパンのことかというと1~2年だ。
従って、オイルトレーディングをする場合、この点を考慮した方がリスクは小さくなる。
押し目買いということだ。
次に短期的にはどうだろうか。
今週~9月末(OPEC)に限れば、間違いなく売り目線だ。
つまり、戻り売りだ。
その理由は以下の通りである。
- 先週7日の原油在庫の激減
- 米ドライブシーズンの終了
- 今月末のOPEC非公式会合
まず一つ目について。
先週の米原油在庫は激減した。
これはアメリカ南西部で発生したハリケーンが影響している。
単純な話で原油はそこまで来ていたのだが、荷揚げできなかったというだけだ。
ここまで書けばわかると思うが、当然ながら明日の原油在庫はこの反動で激増するだろう。
市場はそれに反応して原油価格は爆下げ。
しかし、万が一、原油在庫が予想よりも減少していたら、これはサプライズで原油価格爆上げとなる(しかし、上がっても50ドルまでだろう。この場合、戻り売りだ)。
二つ目は季節要因。
毎年9月は8月の反動でガソリン需要が減る。
従って、原油価格は下降する。
三つ目。
これはかなり大きなファンダメンタルズだ。
市場の思惑はどうなっているかというと、「また、サウジがごねてポジティブな結論なんて何も出てこないんじゃね??」というものだ。
つまり、市場はOPEC会合に期待していない。
サウジのファリハ(エネルギー相)が「増産凍結は必要ない」と言い切っていることも大きい。
それよりも、どの程度のネガティブが出てくるかを見守っている状態だ。
従って、原油価格は下げ。
以上のファンダ的根拠により、原油価格は短期的には戻り売りだ。
しかし、ここでもう一つ。
昨晩のブレイナード理事の発言内容は極めてハト派的だった。
ハト派の彼女がハト派発言をしたので、市場の反応は今一つだったが、これで9月利上げ観測がさらに後退した。
つまり、これから来週にかけてドル安にぶれるだろう。
これは、原油価格にとっては上昇要因となり、上記の下降要因と拮抗する。
その点も頭に置いておくと良いだろう。
その点も頭に置いておくと良いだろう。