2018年12月26日水曜日

【追記】2018年12月にNY市場で起こったことを時系列で解説

2016年11月にトランプ大統領誕生以来、一本調子で上昇してきたNY市場だが、2018年12月にその半分以上が帳消しとなる強烈な下落に見舞われている。

とにもかくにも、トランプに振り回された2年間だったと言える。



NYダウ月足チャート。





破線〇がトランプ大統領が誕生した2016年11月を示す。

今年10月の最高値であるおよそ27000ドルから、5000ドルの急落となっている。

つまり、直近2カ月でNY市場は様変わりしたことになる。

特に12月の下落が大きくなっている。

12月の初旬には、米中貿易会談再開で市場のムードが和らいだかに見えた。

しかし、その直後にファーウエイの最高財務責任者である孟晩舟(メン・ワンツォウ)が、カナダで逮捕された。

この逮捕により、米中貿易摩擦懸念が再燃。

ちなみに、孟晩舟氏はファーウエイ創業者の任正非(レン・ツェンフェイ)CEO(最高経営責任者)の娘である。

それに追い打ちをかけるように、中国の景気減速を示す経済指標が次々と発表された。最新の中国経済展望については以下のリンクを参照されたし。







そして、このような微妙な状況の中、12月19日にFRBによる利上げが発表される。最近のNYダウの下落はこの辺りからさらに加速し始めている。ちなみに、これが今年4回目の利上げとなった。

トランプは利上げ前、再三に渡り利上げ批判をツイート。

ここでトランプのご乱心ぶりが発揮される。

まずは、『メキシコ国境の壁』の建設予算について民主党(野党)と対立したこで、連邦政府が閉鎖に追い込まれる。

さらにこの最悪のタイミングでマティス国防長官が辞意を発表。マティス氏は来年2月28日まで職務を遂行することで責務を果たそうとしたが、それをぶった切る形でトランプが氏の首を介錯。年内で辞職ということになった。ちなみに、マティス氏の辞任は、シリア問題への対応を巡りトランプと意見の食い違いを端に発している。

この間も連日のようにNYダウは陰線を付け続ける。

すると、トランプは、『NY市場の急落はFRBのせいであり、俺には関係ない』旨のツイートを連騰し始める。そして、トランプの怒りの矛先は当然のようにFRB議長であるパウエル氏に向かう。


トランプは現在、パウエルFRB議長を解任する方向で動いていると報じられている。


そして、昨日、財務長官のスティーブン・ムニューシン氏が、アメリカの主要銀行の頭取に流動性を確認する電話をした。

ムニューシン氏は『アメリカの金融システムには潤沢な資金がある。現在の株価急落は一過性のものであり、何も懸念することはない』という趣旨の声明を発表。

今回のNY市場暴落のきっかけとなったムニューシン氏のツイート

本日、アメリカ最大の6つの銀行の頭取に電話をかけ(金融システムの流動性に関する)確証を取った。

ムニューシン氏の目的は、市場を落ち着かせることであったが、これが逆に投資家らの不安を煽る形となった。彼の思惑とは逆に動いたというわけだ。

現在、トランプはムニューシン氏を解任する方向で検討しているとのこと。
今回の発言により株価急落を招いたことで責任を取らされる可能性のあるアメリカ財務長官ムニューシン氏

トランプ政権が、徐々に弱体化していく様子が手に取るようにわかると思う。

いずれにせよ、トランプによる感情任せのツイートが市場を混乱に巻き込んでいるのは明確な事実である。

投資家がトランプリスクをかなり意識し始めていると思われる。










【昨日のトレード結果】
  • WTI原油;47.2S×50⇒45.8C
  • NY金;ノートレ

【現在のポジション】
  • WTI原油;ノーポジ
  • NY金;1241L×100、1243L×75

応援ポチを忘れないでくれよ!
いつもありがとう!!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほんブログ村 先物取引ブログへ



ゴエモンをツイッターでフォロー







【こんな記事も読まれています】



本ブログの著者『ゴエモン』が使用している金・原油取引ができる証券会社