今朝は原油の減産合意のニュース一色だ。
合意したという事実だけが大きく取り上げられているが、それだけで原油価格は50ドルに迫る勢いだ。
問題はその中身だ。
減産したところで需給バランスが均衡しなければ全く無意味だ。
そして、肝心の中身だが・・・
- サウジ・・・50万バレル減
- イラク・・・20万バレル減
OPEC産油国全体では120万バレル減で合意したということだ。
(すべて日量)
具体的に決まっているのはこれだけである。
OPEC全体の日量は3360万バレルほどなので、120万バレルは全体の3.5%程度になる。
ちなみに、ロシアは30万バレル減で合意している。
一方、イランは400万バレルを目途に増産凍結。
サウジは全減産量の半分弱を負うことになり、かなり譲歩した様子がわかる。
さて、これからの問題は二点。
- OPEC加盟国がこの合意を順守するのか?
- 日量120万バレル減程度で原油価格は下げ止まるのか?
OPECでは今後6か月間、今回の合意内容を再評価していくということだ。
万が一、合意内容を無視して増産し続ける国が出てきたら、サウジはぶち切れするだろう。
特にサウジはイランの動向には神経質になっているからな。
(イランの原油生産量は既に改ざんされているという噂もある)
もちろん、アメリカのシェールオイルとの兼ね合いもあるから、原油価格はどんなに暴騰したとしても60ドルを超えることはないだろう。
せいぜい、50ドルから55ドルだ。
俺個人の見解は、この後、原油価格は50ドル程度までは到達すると予測している。
50ドル以上では上値が重くなるだろう。
今回の合意を受けて、OPEC加盟国は55ドル~60ドル程度まで上昇すると息巻いているが、そんなのを本気に受け止めてはいけない。
まだ、市場のセンチメントは決まっていない。
これから、今回の合意がどのように評価されていくのかを注視していく必要があるな。